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[コメント] 御用金(1969/日)

冒頭の、無茶可愛い浅丘ルリ子、『』張りのショック演出に期待が高まるが、結局ここがMAX。心情を語るシーンは、台詞による語りにしても、地獄の鬼太鼓にしても、長々と引っ張りすぎ。これを冗長と感じさせない程度の演出力を備えてからやってよ。
煽尼采

浅丘の人物造形(神隠しが一人の人生に何を結果させてしまうかの生きた例)や、泥の泥濘や汚れを活かしたシーン演出、ボロ小屋でのアクションや、炎上シーン等々、捨て難い要素は様々あるのだが、全体として見ると、「大の虫と小の虫」というテーマの描写の弱さ、つまりは幕府と民衆の顔が、間接的にせよ、まるで見えないのが致命的。故に、心情的にも、見てるこっちはイマイチ燃えない。加えて、闘いの戦術性が弱いのも手伝って、仲代の追い込まれ感、差し伸べられるささやかな助力の貴重さ、といった燃え要素も不完全燃焼。結果、何だか政治的な説教臭さも残る感じに。

(評価:★2)

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