[コメント] カポネ(2020/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
予告編を見たわけじゃなかったので、ポスターを見ただけでは、「マフィアの王様アル・カポネ」のバイオレンスな映画が見られるのかと思っていた。そしたら、いわゆる「晩年」のカポネを描いた映画ということで、想像していたものとは違う作品でした。そんな映画に『カポネ』というタイトルが釣り合っているかどうか。原題そのままだが、ありがちな言い回しだが、『カポネ 最期の日々』みたいなのでもよかったかも。
梅毒の後遺症で脳に障害を患い、認知症になってしまったフォンス。このフォンスという呼び名自体にも意味があって、「アルフォンス」という本名のあたまをとっていた、マフィア時代の「アル」という名前ではなく、そうじゃない「フォンス」で呼んでいること。妻の「その名(アル)で呼ばないで!」というセリフから、マフィア時代のカポネじゃない「一人の男」との生活を大事にしている。
とはいえ、その暮らしは「痴呆症の介護」と同じだ。「シモの世話」だけじゃなく、時折起こす癇癪の始末が大変だ。そして、困窮する生活。美術品が消え、彫刻が消え、しまいには家具まで消え。その中で皆が探す「1000万$」のゆくえ。隠し財産のありかをめぐり、FBIも、家族も、友人も、だれもが狙う大金に、誰も信頼できないフォンス。
本当にそのお金があったのか?それは判らない。映画の大半がフォンスの「想」像世界だ。特に、機関銃ぶっ放したシーンが、まるまる「そう」だったとは、びっくりした。
晩年のカポネがどうだったのかは知らないが、かなりやりたい放題の脚本だ。フォンスの友人のマット・ディロン演じるジョニー。彼の登場シーンがいきなりアレだったので、ちょっと驚きました。彼に話した「1000万$」がFBIの口から出たときにちょっと反応したフォンス。ほとんど廃人一歩手前の様子は、芝居なのか?しかし、後半ジョニーは登場しない。「眼をえぐる」シーン、そして拷問されていた男、彼が裏切ったということなのでしょうかね。そして始末されたのか?
しかしこの映画の中で一番よく判らなかったのが、隠し子のトニー君。フォンスの脳裏に現れる少年トニーの意味するところが、はっきりしない。それと電話した彼の背後にいたFBI「捜」査官。とにかく、「鬱」になりそうな暗い映画。
100%「躁鬱」カポネ → これが言いたかっただけ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。