[コメント] 続日本暴行暗黒史 暴虐魔(1967/日)
自閉的な男の性欲の病を苦役として煮詰めて、享楽指向のロマンポルノと一線を画しているのが若松らしい。劇伴のバッハがやたらリリカルで、神の前でどう申し開きをするのか突き詰めているかのようだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「性犯罪の被害者と加害者の間にどんな人間関係が成立するのかその点の解明を試みた」フィクションだと冒頭に字幕があり、強姦47名、うち11名絞殺、防空壕のなかに集めて同居した被告丸木戸義男(山下治)、「違う、俺が殺したんじゃない」もう一人がやったと主張。
中盤にもう一人は声となって語りかけ始め、カラマーゾフの悪魔を想起させられる。しかし、大した展開はない。結局はこの元恋人の良枝を殺害してしまった自己正当化のための連続強姦殺人と説明され、理に落ちてしまった。
素っ裸に幻視する女を「良枝」(小柳冷子)と呼びながら海際の砂浜で強姦、行為後に我に返って、死んでしまったのを発見して嘆く。洞窟に担いで行って並べて順番に死姦。死体のパートカラーは『犯された白衣』が想起されるが血糊はなし。死体は何で腐食しないのか割と気になる。
山下治は山本太郎に似ていて、漁港の掃除係、幾らか知的障碍として描かれる男の造形が巧みだった。小さな漁村の記録は面白い。公園で服毒自殺するカップルの林美樹がやたら可愛くてサービスショット付。
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