[コメント] 誰よりも金を愛す(1961/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
18代目小原庄助の三木のり平。初代のトニー谷が出てきてお家再興を命じ、一億貯まるまで会津へ帰らぬとの誓いを立てて上京。トニー谷の神託の株予想でもって部長昇進(オープンリールの小型の再生機が珍しい)。元恋人の野良証券浜野桂子とライバル関係になる訳の判らないロマンスは、のり平が抱擁しようとして海に飛び込む素敵なショットで結実する。
榎本健一と柳家金語楼の首脳対談が素晴らしい。戦争見込んで株買いまくって会社を立て直すブラック(失敗する)。「最后野病院スト決行」(先代の大蔵貢はストで解雇されたばかり)中に自動車事故で入院、交通事故を解決せんと脳波ブレーキの発明に出資。催眠術師の発明家キューリーさんウィリアム・ロス。これは21世紀の自動車制御技術を先取りしているだろう。これで儲けて墓参り。徳利の形状などした先祖のお墓と踊ってハッピーエンドという素晴らしさ。
のり平のギャグ素晴らしく、満員電車で座席売った差額で儲けたり、食堂で飯だけ頼んだり、屋根裏に住んだり、関敬六の警官に向かって泥棒と叫ぶと民衆が追いかけてくるとか、扇町京子のダンサーを勧誘しながら彼女が脱ぎ始めると一緒に脱ぐとか、秀逸なギャグのオンパレードがある。
特別出演がやたら多い作品(出演欄のエノケン以下全部)で、これは多分、新東宝救済のための無償出演だったのだろう(『私たちは天使じゃない』もそうだった)。特別出演組はアチャコ他、身上潰した先祖がぞろぞろ登場して宴席で大騒ぎをしている。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。