コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] サラリーマンどんと節  気楽な稼業と来たもんだ(1962/日)

クレイジーを使い切れず東宝との争奪戦敗退で有名な大映最終作。コツコツやる奴川崎敬三の古典的な賞賛は開き直った東宝作と鮮やかな対照、時代の転換点を示すのだろう。コメディは面白く潮万太郎さんファンは必見。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







社長令息の派遣に経理の穴を抱えた甲府支社は大騒ぎ、潮万太郎の支社長とスーダラ社員の三角八郎対秘密を知っている真面目社員の川崎敬三。政治的に川崎と三角の間を行き来する寺島しのぶ似の三浦友子他、女難が複雑に進行し、潮たちは手段が目的と化し、後半は川崎が誰でもいいから結婚することだけが目的になるのが笑える。資本主義に性格歪まされそうになる川崎のコメディは市川崑の川口浩みたい。傑作『満員電車』の続編の趣がある。

醤油屋の娘は醤油臭いのが嫌でホワイトカラーに憧れ、養豚で儲けると張り切っていた友達は豚を死なせてしまってサラリーマンはこんなことなくていいなあと嘆いている。ライムレコーダーをガチャンと押せば格好がつくものね。川崎の父の見明凡太郎が格好いいが、云っている教訓は全く意味不明。浦辺粂子さんはいつも通り安定。クレイジーの面々は便所でサラリーマンの哀愁、東宝のように当然弾けるだろうと期待している人はガックリするだろう。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。