[コメント] 覗かれた情事(1972/日)
虚構と現実の侵犯に非現実的なエロに即物的な描写、寝台列車ではじまる本番ショー。晩期ブニュエルと並行関係がみえるタッチが好ましい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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君の小説には構成も何もないじゃないかと難詰する大家湊英二郎に、作家志望者織田俊彦曰く現代はカオスの時代ですと抗弁して去り、復讐。
夫の書く小説がエロ小説と知らない白川和子はバルネラビリティを全開にする。なんて多量の髪の毛だろう。喫茶店で白川和子に小説の内容を嬉しそうに喋りまくる二條朱実。小説のなかの妻は万引きすると淫乱になり、みんなシンナー遊びしている夜の街を男漁りして、亭主の運転する後部座席で行きずりの同衾。白川は亭主に激怒。「どうしてもっと感動的な話が書けないの。わたし貴方を尊敬しているのよ。お金に困ったらあたしが働くから。お願いだからもっと立派な小説を書いて」「僕にとってはあれが立派な小説なんだ」「なんですって。異常だわ」「異常じゃない小説家なんているか」「もういや」。
しかし翌日織田俊彦に万引き唆されて、小説のようにエロくなる白川。なんで万引きなのかよく判らないが、犯罪が彼女を解放するのだろう。白川が必要なときに必ず傍にいる丹古母鬼馬二というギャグが好ましく、寝台列車が本番ショーになる件が素晴らしい(これも小説)。タイトルは白川のショー出演をマジックミラーで湊が覗く件から。夫婦が互いを想いながら浮気するという存外ロマンチックは展開になる。復讐成就の収束は地味だった。
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