コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ヨーロッパ(1991/独=仏=スウェーデン=デンマーク)

奇作・・・モノクロ地にカラーの花が散る映像。
24

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







普通の映画の合間に観ると良い意味で口直しになる。ほら、おせちの黒豆の中に入っているあの赤いやつみたいな感じ・・・なんだっけ(口直し用なのか)?もうちょっとで正月だなあと思っただけで意味のわからん例を出してしまった・・・。

映像的には奇抜だが、ストーリーは整った感じがする。これでもトリアーの映画の中では比較的まともな部類に属するだろう。一番好きなのは主人公の青年が終盤ブチキレて列車内で銃をバカボンに出てくる警官の如くダダダダダッと撃ちまくるシーン。この青年、セリフが極端に少ない。色々な相手役に話させるだけでダイアローグが殆どないんだな。というわけで観る者に寡黙な青年、と思わせておいて、そんでもって最後に感情を爆発させるというのはちょっとしたカタルシスだ。まあキレてもいいとまではいわないが、ドイツ乗客もひどいものだ。恐らく皮肉なのだろうが、乗客の頭の硬さといったら・・・青年が靴磨きしたにもかかわらず「靴を磨いたマーク」がないだけで「オレの靴磨いてないじゃん」と騒いじゃうんだから・・・やれやれ。

あと回しになってしまったが、この映画の魅力は何といってもモノクロとカラーの混じった映像ではないだろうか。ベンダースの『ベルリン天使の詩』やベルトルッチの『革命前夜』(←お勧め)といったモノクロ/カラー融合映像もあり、それなりに魅力的だが本作はちょっと趣が異なる。↑のタイトルにも書いたんだけど「モノクロ地にカラーの花が散る映像」という表現が相応しい。両色の使い方、住み分けの理由は良く分らないが・・・。この映像の長所は、例えばここだ。浴槽内でカミソリ自殺するおっさんのシーン。最初、湯船に滲むのはカラーの血液。しばらく後の湯船全体を染め上げてしまうのはモノクロの血液。どちらも赤い。この表現で観る者は2種類の赤を感じることができるだろう。

*この手法は合成なのだろうか。ちょっと下手な部分(動きが噛みあっていない)があってそこに気付いてしまったのはちょっと残念。

自分の勉強不足に毎度のことだが気付いた。「人狼」ってなんなのだろう。怪奇ファイル? それは金狼か(サムイ)。主人公の妻の役割みたいなものがちょっと把握できなかった。なんか、面白いのでまた本でも読もうかな・・・。これでも映画を観ていて興味を持った点はちょくちょく本を借りたりして知識を補っているのだ。シネマスケープに書く文章の参考になれば、ということで知識に対する意欲が湧いているようなものだ。こういう勉強も大事だ。文章には反映されていないだろうけど(強調)、大学生の今だからこそこういうことはしておくべきなのだろうな。うん。コメンテーターの中でもこのサイトをかなり有効に利用しているほうだと思うな。・・・しかし全然文章能力が上昇しないな。っていうか他のコメントがすごい。コメンテーターには文章のプロもいるのかな・・・。まあ難しい表現する必要はないんだけど自分の文章は稚拙で知性が感じられない。よし、来年の豊富は文章能力の向上を目指すこと。これだ。(注;この文章は年末に投稿したものである)

■「ヨーロッパ」のまとめ;モノクロ地にカラーの花が散る映像は素晴らしいね。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。