[コメント] ワイルド・スピード ジェットブレイク(2020/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ワイルド・スピードシリーズは、登場人物たちの家族的な結びつきが心地よく、しかもその家族は家父長制的なそれではなく、核家族的なものでもない、血縁のない者ものをも含んだ疑似大家族なところが魅力的だったのだが、その幻想はドウェイン・ジョンソンを抱き込んだことで打ち砕かれた。
ご存じ『ワイルド・スピード ICE BREAK』公開以降に明らかになった、ヴィン・ディーゼルとの確執だ。撮影現場に居合わせた訳ではないので真実は分からないが、ワイスピは、ポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルを中心に、ミシェル・ロドリゲスとタイリー・ブリース、ジョーダナ・ブリュースターらの疑似家族の物語であり、ドウェイン・ジョンソンはその「家族」になりきれなかったことは否めないと思う。
一番の魅力が損なわれてしまったワイスピ新作の監督にドウェイン・ジョンソンを登場させたメガMAXのジャスティン・リンを起用したのは正解だった。
本作で、ジャスティン・リンは家族愛の物語としてのワイスピをほぼもとどおりに修復させることに成功したと思う。
WWEスーパースターのジョン・シナの加入は、ロック様の代わりという強烈なメッセージであり、しかもジョン・シナはリングの上と同じく受けの美学を披露してくれた。加えてハン(サン・カン)の復活とスピードレースの挿話で初期の家族愛に溢れたワイスピを思い出させてくれた。
正直、単体の映画としては並みのアクション映画だったと思う。しかし、壊れたワイスピの修復は簡単ではなかったはずだ。ファンとして感謝の★1つプラスを献上したい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。