[コメント] 第三の死角(1959/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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東邦造船所は人員整理、ストは赤旗と拳が8の字を切られる。こういう所作だったと発見。長門】は造船所の職員で、スト潰しを評価されて幹部に見込まれる。会社は許可前に着工したのが造船局(行政の港湾事務所みたいな部署だろう)に知れて問題化しており、後ろ暗いことをやらされた挙句、非常階段から投身自殺。本作でいいのはこのショットで、真上から人形の落下を撮って劇伴だけの無音になるのが格好いい。着地したとき地面が波打つのがちょっと苦しいが異様でもあり、印象的な画だった。
彼と約束を交わした渡辺美佐子は渡辺美佐子らしく当然のように堕胎を強要され、約束を反故にされる。彼女は事務員姿が余りにも似合わず、まるで事務員になったこと自体が彼女の不幸のように見える。絶妙の配役というべきだろう。
森はブローカーで葉山良二は彼の手下。造船所の情報を早期に入手して株を売り買いしている。森の事務所はカジノと繋がっていて、客の稲垣美穂子にボーイを衝突させて着替えを提供してお近づきになるというテクは、使い道はないが勉強になる。
葉山と長門は学友で、互いに批難し合って社会人の憂さをさらけ出す。こういう憂さは資本主義社会に普遍的と思われ、平凡だが身に染みる処がある。最後は葉山も嫌になって森の元を去り、撃たれて稲垣のネックレス受話器にかけて死んじゃうのだった。英語字幕付のフィルムで鑑賞。
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