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[コメント] 生恋死恋(1918/スウェーデン)

「18世紀アイスランド山岳地帯は無法地帯」の設定は眉唾なんだろうが、この休火山らしい山岳の風物は珍しく、ワイルドな撮影で愉しめる。話はフツー。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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山ほど羊飼っている名主が、羊が二頭足りないと労働者を鞭打ちする冒頭。この名主がかつて弟の妻だった未亡人に求婚、力持ちの流れ者と三角関係になり、流れ者は脱獄囚、未亡人連れて逃亡。隠れ家で子供をもうけるが、新参者との女の取り合いなどあった後、最後は追手に見つかり雪のなかでふたり並んで凍死体となる。

未亡人はゴッツいオバちゃんで、彼女のロマンスという切り口が背景に合致しているように見える。新参者は女のバストを思い出す露骨な件もある。豊満がモテるの文化と見受けらえる。

見処はそのアイスランド山岳地帯の光景。山脈の中腹の緩い傾斜が気持ちよく撮れている。そこいら中の水溜まりで泡が吹いており、間欠泉から轟轟と温泉が噴き出しているところで水汲みするショットがすごい。子供はこれで洗礼を施され、危険地帯で腰紐結ばれて遊んでいる。岩ばかりで、すごい滝がある。とんでもない崖で未亡人は子供を抱えるシルエットが二度あり、二度目は子供を投げ落とす(フィルムがスキップした風でよく観られなかったが)。

字幕の映される時間が短く、邦訳は律儀に映写時間から字数を換算したのだろう、結果、邦訳字幕は随分省略されている印象。サイレント映画ではときどき遭遇する事態だが、こういうのは原作に拘らず、字幕を長映ししてもいいんじゃないだろうかと思った。

(評価:★3)

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