[コメント] 愛のまなざしを(2020/日)
背景説明も早々に、焦点は一気に貴志(仲村トオル)と綾子(杉野希妃)に絞られて、純粋なようで錯乱した“愛”という核心に向かって突き進む。いささか早急な印象を抱きながらも、この独特なテンポに「尋常ならざるもの」を期待しながら観てたのですが・・・
憑依感が足りないからだろうか、それとも逆にリアルさを感じないからだろうか、モンスター杉野さんがあんまり怖くない。となると、真面目過ぎる自信家のはずの仲村さんの葛藤や焦りが空回りして心の揺れが伝わってこない。そんな態なので、二人の振幅を増強(強調)する役割を担うはずのブースター工藤さんが、愛憎を撹拌する軸として機能していない。当然のように感情のキャッチボールが成り立たず、つまりはサスペンスも成立しない。
どうしても2006年の傑作『接吻 Seppun』と比べてしまうのですが、脚本もアヤがなくありきたりで深みが足りない気がしました。
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