[コメント] 決斗!一対三(1953/米)
回想の導入カットは農場の大俯瞰だ。なかなかカッコいい導入部。こゝから青年期のハドソンが、ガンマン(及びギャンブラー)として、決闘や殺人を繰り返し、テキサスレンジャーに逮捕されるまでが回想として描かれる。
ハドソンは実在のガンマンを演じているが、劇中の彼の殺人行為は、全て相手が先に銃を向けて来た、つまり正当防衛として描かれている。これは多分フィクションなのだろう、ちょっとカッコよく描かれ過ぎている気もするが、ま、娯楽西部劇として当然の処置なのだ。ただし、邦題にある、一対三の決闘シーンは、実質的には存在しない。最初の殺人が、いかさまカードゲームがらみで、先に銃を抜いたマイケル・アンサラを撃ち殺す場面なのだが、その兄弟三人につけ狙われるプロットを邦題にしていると思われる。三兄弟には、リー・ヴァン・クリーフとヒュー・オブライエンというビッグネームもおり、期待させるのだが、それぞれ、個別の決闘場面があり、案外あっけない演出だ。特にクリーフとの決闘シーンは、アビリーンの町の通りでの、すごい砂塵の中での決闘で、画面的には演出の見せ場になっているが、早々にクリーフが退場してしまったのは、ちょっと残念に思った。
また、ヒロインは二人おり、最初に相思相愛の恋人として登場するのがメアリー・キャッスル。もう一人、ハドソンに気があるが、ハドソンは友人としか思っていない酒場女がジュリア・アダムスだ。キャッスルは見せ場も乏しく、感情の一貫性もイマイチの演出で損な役。真のヒロインはアダムスの方で、役柄的に、衣装は豪華だし、セクシー場面も引き受ける(下着姿やガーターベルト姿など)。後半はハドソンと二人の生活が描かれ、彼の変貌も導く良い役だが、こちらも、ウォルシュの演出は、キビキビし過ぎていて、もう少し尺を取っても、情感を盛り上げるシーンがあれば良いのに、と思ってしまった。
尚、ハドソンがテキサスレンジャーに逮捕される場面は、駅の大俯瞰ショットから始まる。これは、回想導入部の農場の大俯瞰と呼応するようなカットであり、このあたりも、定石のようだが、見事な娯楽映画演出だと思う。回想開けの後もスピーディに場面を繋いで、酒場でのファイトシーンまで盛り込んでしまう。このサービス精神にも恐れ入った。
#備忘でその他の配役等を記述。
・ジョン・マッキンタイアがハドソンの父親と叔父(伯父?)さんの二役。叔父さんのマッキンタイアの息子の一人に、若きデニス・ウィーバーがいる。
・アビリーンへの道中で、駿馬ロンドを賭けるのは、フォレスト・ルイス。アビリーンの酒場の爺さんとしてフランシス・フォードがワンカットのみ登場。
・ハドソンの息子役はレース・ジェントリー。
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