[コメント] ドント・ルック・アップ(2021/米)
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ネトフリオリジナル作品で超豪華メンバーを揃えた本作。地球直撃コースで進路をとる彗星を発見し、科学者たちはその対応を声を大にして主張するも、世間は聞く耳を持たない。トリアーの『メランコリア』とかが頭に浮かびましたが、設定的には既視感はありましたね。
ただ、本作のウリはそれをブラックコメディで思い切り皮肉ったところにあるのでしょうし、そういう意味では些か現実味がない流れになるのは作品の性質上、致し方ないかと。とはいえ、本作の面白いのは、それを現実離れしてありえないと一概に否定できない点にあるように思います。
近年の科学技術の発展により、科学の力を持ってすれば何でも実現できるのではないか、という人間の思い上がり的な思考はしばしば話題に上がりますし、彗星接近をある種のラッキーと捉える大統領側の下した対応なんてのは、まさに格好の的として対立するのだろうと思います。
科学的な話だけでなく、結局のところ個々人がどちら側に立つのかって問題も、バイアス的な話として表現するとコメディにも映るのだなというのは苛立ちもあれど面白く、また新鮮でもありました。
全体の構図としての面白さは今の通りですが、細かいネタとしての笑いどころというのも随所にあり、楽しめる作品ではあったと思います。水とお菓子でお金を取るくだりとかね。
カット割りとかも早くて視点が切り替わっていく小気味よさの良さはあったのですが、流れ全体のテンポの良さはそこまでなく、若干のマンネリ感は覚えました。 役者陣はよかったですね。特にレオナルド・ディカプリオは安定感ある演技でしたし、テレビ越しに演説するあの迫真のシーンは力がありました。まあ、それを気にも留めないような世間への皮肉というコメディでもあるのですが。
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