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[コメント] 拳銃を売る男(1952/伊)

ロージー亡命後の第一作とのことで、イタリア映画だが、私が見たのは、英語圏用のバージョンなのだろう、クレジットにはジョセフ・ロージーと出たし(アンドレア・ファルサノではなく)、登場人物も皆、英語(イタリア訛りっぽい)で会話するものだった。
ゑぎ

 また、本作はイタリアの地方都市を舞台にした、ぱっと見には全編ロケーション撮影じゃないかと思えるような、ネオレアリズモのようなルックを持った作品だが、ハリウッドから、ポール・ムニジョーン・ロリングという二人のスター(と云っていいか分からないが)を招聘して作られた映画だ。ちなみにロリングは、ロージーの前作『大いなる夜』のヒロインだったから、引き続いての起用ということになる。

 お話は、ある町で船からおろされた密航者のムニと、その町の貧しい少年ジャコモの行動をクロスカッティングで繋ぐところから始まる。ムニは、金に困って、持っている拳銃を売ろうとするが、思うように売れず、空腹に耐えかね、牛乳屋(兼パン屋)で無銭飲食をする。一方、ジャコモ少年は、母親の手伝いで牛乳屋に行かされるが、途中で渡されたお金をビー玉に使ってしまい、牛乳を盗むしかなくなる。というワケで、二人はほゞ同時に牛乳屋から逃亡することになり、一緒に警察の捜査から逃げ回るというバディ関係になるわけだ。この二人の昼から夜までの、約半日間のお話だ。

 二人が逃げ回るシーンの舞台となるのは、戦後の復興がまだ追いついていない廃墟のような街並みや、運河、トンネルなど、ロージーらしい殺伐とした画面だ。撮影はアンリ・アルカンで、このロケ撮影が一番の見どころだと、私は思う。終盤は、ジャコモの知り合いの女店員−ジョーン・ロリングのアパートの部屋に逃げ込み、最後は、警察隊に包囲された中、この建物の屋根上まで追いつめられる。屋根から落ちかけるジャコモを置いて一人逃げかけるが、戻ってきて助けるムニ。二人の友情がなかなかグッとくる場面だが、今現在見ると、よくあるパターンという感覚もある。ただし、画面的には、高低の見せ場になり、縦構図の活きる造型だ。半日という時間軸に詰め込み過ぎの感はあるが、ロージーらしい厳しい展開と、その後のエピローグの爽やかさもいい。

(評価:★3)

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