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[コメント] 拳銃を売る男(1952/伊)

ディケンズの名作少年小説のような好篇で、イジワルなロージーが肌に合わない者としては本作は好ましいものがあった。これでも十分イジワルだが。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭の船底、密航しようとして見つかってしまうポール・ムニの件がノアールで恐ろしい。以降の当時のイタリアっぽい少年映画のタッチとの組合せが異様だ。二万五千リラ払えば密航OKと話がついて、持参の拳銃売ろうとするがもう戦争は終わったと買い叩かれ、結局売れずにパン盗んで店員を射殺してしまう。

一方の少年ヴィトリオ・マヌンタはどうやら自宅で洗濯屋している若い母ルイザ・ロッシ(家賃が払えないと子供に怒鳴っている)の配達の手伝い。お気に入りの馬を市場に売られて怒り、路上で賭けビー玉の勝負。店員のジョーン・ローリングに洗濯届けてその主にビー玉賭博に投資を募っている。

ムニも少年も貧乏だが街はすでに復興している。牛乳屋でふたりは交わる。自分で瓶持参して自分で注ぐ式。女店員の目盗んで少年は牛乳泥棒。交替するように入って来たムニがパン泥棒して女店員を撃ってしまい、警察が登場、少年は自分を追うのかとビビッて逃げて一緒になり、少年はムニを自分を助けてくれていると思い込み感謝して地獄巡りに同行するという、名作少年ドラマみたいなタッチになる。

少年が入りたかったサーカスに紛れ込み、戦中破壊されたのだろう廃墟のビルを逃げ、無人の不思議な石造りの住宅街を抜けてジョーン・ローリングの部屋に立て籠もり、包囲されて逃げ道探して屋根の上で逃走経路探すサスペンス。ローリングが鏡見ているとムニがぬっと現れるようないい撮影が連発される。ムニが殺人犯と知って少年は詰るが、屋根から降ろされてムニだけ射殺され、彼は恩人だと少年は撃った警官を睨むラスト。

拳銃を買わなかったアルド・シルバーニはなぜ通報しない、犯罪を防げたのにと警官に叱られ、なぜ彼らにチーズを与えないのだと、犯罪を防げたのに云い返す。そんな映画。少年の妹が余り活躍しないが可愛い。

(評価:★3)

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