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[コメント] モービウス(2022/米)

キャラクタとしてはヴィランでありながら、ストーリー構成はヒーローもののそれであり、今後の方向性に若干の不安が残る。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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観賞後に感じたのは、「マーベルはこのキャラどうしたいの?」ということ。

医者としてのモービウスは自分の病気の治癒を目指しているが、ヴィランとしてのモービウスが何を目的として活動するかが本作の視点から完全に欠けている。

いわゆる「ダークサイド」に堕したハンガー(マット・スミス)を止めるために戦うのはわかる。しかしながらこの展開はヒーローもののロジックであり、ヴィランとしてではない医師としてのモービウスだからこそ成り立つものである。

ラストでバルチャー(マイケル・キートン)が出てきたときにモービウスはヴィランとしてのやり取りをするが、本作の表現から考える限りはかなり唐突であり、根拠が薄弱であると言わざるを得ない。

カーネイジを扱った『ヴェノム』のラストとバルチャー登場により、ヴェノムとモービウスをトム・ホランドが演じるピーター・パーカーがいるユニバースに登場させる準備を整えたというつもりかもしれないが、「そういうキャラなんだから」という「忖度」を前提にした展開はあまり感心しない。

キャラ紹介と能力紹介に終始した作品をこの段になって出してこられても魅力は感じない。この落胆が大いに影響を及ぼす観賞であった。

(2022.04.03 シネプラザサントムーン)

(評価:★2)

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