[コメント] 絞首台の下(1959/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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掴みは面白い。赤木圭一郎からの2年振りに手紙貰って稲垣美穂子が会いに行くとその地番は刑務所だったとか、偶然会って同行した怪しい木浦佑三とか、赤木と木浦が面会してロシア語で話すとか。「俺たちが樺太からもって帰ったのはロシア語だけだからな」という稲垣の兄上野山功一の科白がある。これはどういうことなのだろう。幼少の頃は樺太に住んでいたのだろうが、当時日本領だった樺太でもロシア人と頻繁な交流があったのだろうか。また調べてみよう。
しかし中盤からは加速し過ぎ。2時間あったらもっと面白くできただろうに残念。刑務所の昔の絞首台の下からの脱獄というネタはネタだけで何も面白くないし、いつも現場にいる怪しい楠侑子は怪しいだけだし、信欣三が出てきたと思ったらすぐ殺されるし。長門裕之と渡辺と清水まゆみの北海道への取材旅行など、行ったかと思うとすぐ戻って来て喋っているだけで、この辺で観客の気分は投げやりになる。トップ屋(週刊誌のトップ記事取材で当てるのが仕事と紹介される)長門の部下、清水とロクちゃん(誰だろう)のコンビは愉し気なのだか大した活躍なくもったいない。
清水健太郎似の赤木圭一郎は隠れるために刑務所にいたのだとか、絶命の「千早」は稲垣の名前ではなくコカイン乗せて沈んだ船の名前だったとか、謎かけは最後の長門裕之の科白で早口に語られ、謎解きの愉しみはなくただ段取りだけが了解されるばかり。米軍の犯罪ゆえ外務省にもみ消されて、長門の原稿は千切られて車窓から投げ捨てられるラストシーンのように、観客の感想も散り散りになるばかりだった。
スタッフ・キャストに犯人伏せて撮影したらしいが、ネタ明かししても誰も得心しなかったのではないかと思われる。記者の長門が単独行動でカメラ持ち歩かないのはおかしかろう。内藤武敏が声紋分析している件はたぶん貴重。二度あるクルマのなかからピストル構えて相手を狙うショットが面白かった。
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