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[コメント] 栄光への反逆(1970/日)

タイトルバックは遺蹟か?石窟。大きな像(菩薩像?)の首が落ちてストップモーション。そこに、タイトルが入る。しかし、これの意味は、最後まで分からない(プロットにからまない)。
ゑぎ

 本作は、ボクシングのチャンピオン−黒沢年男が、対戦相手を試合中に殺してしまったため(しかも二人目)、一人、北海道に逃れ、伝説の砂金掘りに会いに行く、というお話だ。東京でのボクシングシーン等もあるけれど、全編中多分9割ぐらいは、北海道を舞台とする。何と云っても、雪中シーンの寒そうなことが、強烈に印象に残る映画だ。極寒の中での過酷な撮影現場だったのでは?とオモンパカってしまう。

 特に、黒沢が、密猟者たち、睦五郎寺田農田中浩らによって半殺しの目に合い、川に流されるシーンは命がけだったのではないだろうか。ヒロインはボクシング事務所の所長(先生と呼ばれている)−三橋達也の養女−松原智恵子だが、黒沢を追って北海道に来た松原は、ミニスカートに白いブーツ姿で雪の山道を歩かされている。

 さて、頑張って撮影していることは分かるが、緩い展開、演出も横溢する。断崖の縁に宙づりになる場面の人形。革剥ぎ職人−田中邦衛の扱い、そして、やっと辿り着いた伝説の砂金掘り(百年亡者と呼ばれている)−岡田英二の扱い・役割も、実にいい加減に処理されてしまうのだ。

 しかし、カメラワークでは、全編ほゞズームを使わない。例えば、雪原のショットで、向こうから人物が歩いて来る、といった場合、ズームではなく、固定ショットでディゾルブのジャンプカットで繋ぐ。向こうへ遠ざかる場合も同様だ。死者を火葬にする場面でも、固定のカメラ位置・画角で、黒沢と松原の位置をディゾルブでジャンプカットのように変化させるといった編集があり、なかなか抒情的な良い効果が出ていると思う。

#備忘でその他配役等を記述します

・北海道の教会で、情報を聞くために黒沢が会う牧師は、高田稔。ニシン場の気の狂った爺さんは北沢彪。密猟者たちに最初に襲われた黒沢は、高橋紀子に助けられる。高橋が暮らす飯場には、左卜全堺左千夫らがいる。高橋をかどわかす禿熊は大前均。その弟が田中邦衛

・ボクシング場面で実況席には、ファイティング原田柴田錬三郎がゲスト出演。

(評価:★3)

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