コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 恋人たちの予感(1989/米)

たったひとつのシーンで有名になった作品だけど、中身はかなり骨太。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 1989年は、それまで80年代を引っ張ってきたハリウッドのロマンティック・コメディにも新風が吹き入れられた年でもあった。それは『恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989)と本作によってなされたもの。ただし“新しい”と言っても、その実際は70年代への復帰であり、定番のトレンディ・ドラマにニューシネマの手法を取り入れることによるものだった。本作なんかは本当にそのまんま『愛の狩人』(1971)の手法を取り入れた感じなのだが、その正否はともかく、本作はとんでもなく話題になったのは確か。それはニューシネマが再び受け入れられたのではなく、単純にメグ・ライアンの存在によるもの。更に正確に言うなら、たった一つのあのシーンで受け入れられたとも言えるんだが…

 まあとにかくたった一つのシーンでこれだけ売れまくれたのもこの時代ならではなのかもしれない。その意味では明らかに80年代している訳だが、それも含めてハリウッドに新風を吹き込んだと言って構わないだろう。

 テーマとして、“男と女の友情は成り立つか?”という結構真摯なもので、そのテーマをきっちりロマコメに昇華させている作りも巧い。流石ライナー監督ってところだろうか?

 かなり物語もしっかりしているので見応えもある。強いて言えば、そのテーマにこの邦題はそぐわないだろう?と言う事位か?この時代に作られたロマコメの中では頭一つ抜きんでた作品ではあろう。特に『恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』を観ていると、本作の面白さも増すだろう。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。