[コメント] クロティルダの子孫たち −最後の奴隷船を探して−(2022/米)
簡単に片づけられない人心が重くのしかかる現状。人権論に馴れ合いを求め利益さえ得られれば手を携える旧名士。単なる復讐より現状を打開したい移送民の子孫。人権ヲタクでお祭り騒ぎに加わりたい運動家。これでは何のための運動であるのかと頭を抱えたくなる。
確かにこの事件を抜きにしても、人権国家アメリカの行方はもはや一筋縄ではゆかないことばかりだ。歴史博物館を建て事件の全貌を広く国民に知らしめるのはいい。だが、それは結局移送民の生活を豊かにするのか。奴隷貿易で肥え太った白人勢力の子孫たる州政府を観光資源として喜ばせるだけじゃないのか。黒人たちは結局、名士一族が貸した土地に根を張った公害企業に悩まされつつ暮らすだけじゃないのか…。
ただ、今まで知らなかったエピソードは聴けた。いわゆるアメリカ先住民に強いられた使役の対価を勝ち取り、土地を得て一族ともども富豪となった人物がいるという。一概に褒められることかは知らぬが、こういう「アメリカンドリーム」の一例があったことは初耳だ。いずれ詳しいことを知ってみたい挿話ではある。
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