[コメント] 宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 STASHA(2022/日)
原作でもご都合主義と軽薄なストーリー運びに苛立たしかったエピソードが、かなりの説得力を伴って帰ってきた。福井晴敏もかなり名誉挽回に働いたとみえ、唐突な展開は今回はほぼ観られない。
物語当初からお馴染みの双子星の悲劇は、今回まで連なるフォローを得てかなり子供だましの性格を払拭された。ガミラス人創生の秘密だけは蛇足だったものの、イスカンダル王家の未来なき現状、ガミラス総統派と民主派の和解、ヤマト艦隊の合理性、女性兵の自然さ、若者とともに古代も過ちに頭を抱え乗り切る「青春群像」の側面など、いろいろ充実していて飽きさせない。
そして次回作「ヤマトよ永遠に」との繋がりが少しだけ垣間見えるのだが、ここでも旧作のアラを逆手にとって、ほぼ設定を変えずに物語に現実性をもたらす、という意地が見えてきて、これが不遜なまでに痛快である。今回の頑固な作劇で、設定を変えずに最もと思わせるやり方には全くノックダウンを喫している以上、これで完結編まで行く気かとむしろ楽しみである。猛省するな。これでいい。
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