[コメント] 肉体の悪魔(1947/仏)
大変立派な作品なのだが、私は不倫ものが苦手で、どう説明しようとも点数が上がらない。これは純粋に私自身のツボの問題だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
レイモン・ラディゲによる文学小説の映画化。作品そのものはかなりドロドロした不倫ものとなる。原作が文学にまで昇華されたのは、丁寧な心理描写と、人間の心の自由はどこまで許されるのかという社会的な問題に切り込んでいたためだった。
本作はこの原作を映画化にあたり、フィリップの格好良さをあまり強調せずに、そう言った社会的な挑戦を強調しているのが特徴だろう。
不倫というのもある意味では道徳的な社会に対するアンチテーゼと考えられる。人間の好きという気持ちは止める事はできないが、それを社会倫理や法律と戦うのか。精神的肉体的な戦いをどう描くかが重要になる。
本作の主人公二人は完全に無自覚でありながら、そう言ったものと戦っている戦士として描かれる。
そして逆に抑えた演技だからこそフィリップの上手さが光る。フィリップを強調しない作りだからこそその魅力を出せたのが本作の最大の魅力だ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。