[コメント] 恋人たちの曲 悲愴(1970/英)
鍵盤を叩く彼の情熱、ああ、そりゃその情熱が欲しいって思うだろうよ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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あそこまでやったのに何にもしてくれなかったというのは、悲しいなあ。レイプに持ち込もうとした彼女、切なくもあるがこのド迫力。グレンダ・ジャクソンさん怖いです。
そしてそのラストの静かな彼女の視線、ヤバイです。画面の向こうだからある程度安心して観ていられると思いきや、彼女の目がチラリとこちらを向く。実は、この映画、みなさんの壊れっぷり、楽しんでました。ちょっとサディスティックな満足を得た後に、あの一瞬だけこっちを向く視線、ドキッとした。ゴメンナサイ。
みんな、生身の彼を求めていたんだ。生身の彼からその情熱をもらいたかったんだ。普通は「ありのままの僕を見て欲しい」っていうのが問題なのに、あんたはあんたの曲に現れる「自分の虚像」を見て欲しがっていたなんて。この解け合わないメロディ、それぞれがそれぞれの情熱でもって引き寄せ合って、つぶし合って、生身の彼をぶち殺す。残ったのは虚像の彼と情熱のない空っぽの身体と、大儲けした(と思われる)モデストか。祭りの後には、むなしくも不気味な静けさ。このメチャメチャあざとい対比。ここまでくどいともうコメディーだね。きゃふぅー!
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