「ヴェネツィアを描くときは大胆であれ。思想を描かず魂を描け」と冒頭語られる。この画が魂なのかも知れない。波の深い音、水鳥の鳴き声。「サンマルコ共和国は死んだ」「誰がこんな処に住むだろう」ベニスゆかりの有名人の所業が羅列される。

観客を苦しめて作者は心が痛まないのだろうか。最後の『バッハの日記』引用はよく我慢しましたねとご褒美くれているよう。