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[コメント] 崖上のスパイ(2021/中国)

最初の内は男優の区別がつかなくてちょっとわかりにくいところがある。しかし古典的なスパイ技術を駆使して虚実ない交ぜ、敵味方入り乱れてのスパイ合戦には、今日日、新鮮な、ゾクゾクするような緊張感があって楽しめる。
シーチキン

様々な場面、危機を想定して、二重三重に用意された符号=暗号など、最近のハリウッドスパイものとは一味も二味も違った、まさに諜報活動の醍醐味が楽しめる一本だった。

それに刻々と変化する状況にあわせて、臨機応変に作戦を変えながら、ひたすら任務の遂行に全力を尽くす、そのストイックな姿勢も良い。

派手なアクションと最新メカっぽい小道具とか、なんかあれば女性をたらしこんでるとか、そんなんばっかりのスパイ映画は本作の爪のあかを煎じて飲むとよろしい。

そういえば劇中、ちらりと往年のチャップリンの名作の1シーンが出てきた。案外、名匠チャン・イーモウは昔のスパイ映画などにも造詣が深くて、ひょっとして「温故知新」が本作の隠れたテーマだったりして。

あと4人のスパイの内、ダントツに魅力的だったのシャオラン(小蘭)リウ・ハオツン。可愛らしくてきれいで凛々しくて、かつてのチャン・ツィイーを見るようだった。チャン・イーモウ監督の好みなのだろうか。だとしたら、今後も彼女の美しさを存分に堪能できる作品を撮ってほしい。ぜひ!

(評価:★5)

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