[コメント] ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう(2021/英=グルジア)
不思議なすれ違いで出会いそびれた若い男女と、二人が暮らす平和そうな町の人々が主役だ。普通なら二人を中心に据えた群像劇といった話法が常套だろうが、この映画、他のどんな映画にも似ていない。二人の容姿が別人に代わってしまったこと以外に事件は起こらない。
でも2時間半まったく退屈しない。この語り口のオリジナリティは、他に例が見つからないぐらい抜きんでている。
無粋と言えなくもないほど唐突に要所要所に入る(誰だか分からない)第三者の声(ナレーション)がこの(動きそうで動かない)物語を先導する。その声は、さりげなくではあるがはっきりと「この世界は悪い状況」にあるのだ指摘する。そして準主役となるのは、町を舞台に映画を撮ろうしてる監督とカメラマンとプレ取材をするスチルカメラマンのクルーと、大勢の子供たちだ。
この何かが狂ってしまった世界はいったん止めて、リセットしなければ正しいカタチに戻せないのです。それが子供たちのためなのです。と、作者のアレクサンドレ・コベリゼは言っているように私には思えました。
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