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[コメント] 憎しみ(1995/仏)

「大事なのは落下ではなく、着地だ」・・・。この意味を考えさせられた。
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 悩む。この映画を見て、落ちていく社会、社会に適合できない若者達、それ故の反発など考える部分が多い。ストーリーとしてみたら起伏のない話だが、朝目覚めてから時を追って描かれた、若者達が街を彷徨う様子はスラムの若者達が過ごす何気ない一日のように見えるし、その点でリアリティが高いと思う。そのリアルな描写の中で、社会に不満を持ち、オルタナティブを求める感情も良く描かれてたと思う。中盤、この描写からどう完結させるのかが焦点だったのだが、結末は希望も何も感じられない退廃的な結果だった。互いの撃ち合いによる2人の死という結末は、腐敗した社会の象徴のようにも思えた。現代社会のアウトサイダー的存在であるスラム街の若者の現状を描写することで、このような悲劇を起こした若者を生んだ病んでいる社会を描いていると思う。劇中、3度繰り返される「大事なのは落下ではなく、着地だ。」という台詞。社会が今病みつつある過程と考えるのではなく、社会はすでに病んでいると考え、その病んだ社会をどう良好な方向へ向かわせるか考え始めるべきだ、という意味合いを感じた。悩む映画だ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ねこすけ[*] gouda

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