[コメント] 極道の妻たち(1986/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「志麻」と書いて「最強」と読む。声に出して読みたい名前、岩下志麻。
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燦然と輝く任侠映画の殿堂に女極道というニッチ市場を耕したのが藤純子とするならば、岩下志麻は市場拡大に大貢献した大人物。大スター。永遠のアイドル。二代目森光子を襲名して長生きしてトコトン芸能界で頑張っていただきたいアイドル。
残された者達の面倒をしっかり面倒見られるかが、組の真価が問われる状況。これがもし面倒を満足に見られないようでは、組織は壊滅し、自分の首が飛ぶか埋められるか沈められるかの瀬戸際に追い込まれる。シノギばかりに目がいき過ぎて、人に目が届かない時代の中にあって岩下志麻はジャンボ宝くじ、toto(ゴール含む)、ロト6で一等を引き当てたぐらいの運の持ち主。岩下志麻、最強。映画ダメでも岩下志麻最強。
今じゃ代紋が“象印”となってしまってはいるが、岩下志麻を憧れる女性を生み出した妖艶フェロモンばりばりさは今も健在だと思う、思いたい、全人類代表で思っている。
例え[(極道の妻たち)−(岩下志麻)=]で出た答えが「化粧濃すぎ」であろうと、 かたせ梨乃がラモスと付き合っていたことがあろうとなかろうと、家田荘子が作中のどこかに出ていたとしても、この映画に鎮座する岩下志麻に無条件降伏を率先しておこなってゆきたい。
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少しマジで書くと、ラストの姉妹の引き裂かれ方の後ろにある代紋の力、それは天命なのだろう。彼女から独りの人間となり、体で勝負する強い演じた女性、岩下志麻の迫力は『疑惑』から全く変わっちゃいなかった。変わったのは、周りの実力不足、死ぬまで役者な真性役者不足がもたらした、不幸な評価が普通になってしまったことぐらいか。
岩下志麻に背負わされた天命は作中の姐さん同様に、重すぎて、岩下志麻の魅力密度が濃くなっていった。映画の内容から一人歩きしている岩下志麻にウットリしすぎたということは認めざるを得ない。
2003/5/13
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