[コメント] 黄飛鴻正伝 鞭風滅燭の巻(1949/香港)
元祖クンフー映画にして59本続いた寅さんより多い人気シリーズ第1作の由。安上がりのプログラムピクチャーで退屈だが、道を説く主人公、ヤクザや道場間の対決、一方的に惚れる女、脇役のお笑いにドタバタ込みの武術と、フォーマットがすでに出来上がっているのが確認できる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
シークエンスの長短についてハリウッド調の編集が無視されており、冒頭の獅子舞(爆竹の白煙込)や武道の型の披露が延々続くのが面白い。仕掛けで地下に落とされるショットなどキートン系。女優は初期ピンク映画好み。顔のやたら長い主人公は魅力がある。劇伴はチャイコのヴァイオリン協奏曲ほかクラシック名曲、当時の香港映画では普通の手法だったようだ。
女に惚れられて獅子舞の巡業先から慌てて逃げ帰るのが面白い。地盤は杭州は仁安街。続きもので、道場間の決闘が始まったと思いきや「続きを知りたい方は続編をどうぞ」の字幕で終わる。マニアックな作品なのにアーカイブは賑わっていた。お客は香港の人が多かったのかも知れない。
黄飛鴻は実在の人物で清末民初の武術家、医師。「列強の進出に伴い荒れる時代を予測して農民たちに武道を教え、自警団を率い民間レベルで治安の混乱を防いだ。のちに官軍や警察などにも同様に洪家拳を教授し、動乱時代の国の治安維持に尽くした人物として現在も評価が高い」(Wiki)。映画ではその流派は少林寺由来の鉄線拳と呼ばれ、棍(こん)という2メートルもある長い棒を振り回している。タイトルの読みは「こうひこう(うおん・ふぇいほん)せいでん べんぷうめっしょくのかん」。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。