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[コメント] アンナの出会い(1978/ベルギー=仏=独)

見知らぬドイツの地で行きずりの父子一家に背を向けたあと延々とアンナ(オーロール・クレマン)の孤独な"夜”が描かれる。そこに「幸福」などあるはずがないという彼女(=シャンタル・アケルマン)の家庭や家族からの逃避のようであり諦観にも見えた。
ぽんしゅう

恋人(ジャン・ピエール・カッセル)にせがまれて、まんざらでもなさそうに微笑みながらアンナは歌を歌う。その歌詞が凄い。幸せそうなカップルの突然の喪失の歌だ。自宅に帰りついたアンヌはベッドに身を投げ出し留守番電話を再生する。二週間の不在。次々に伝言が流れる。彼女の人間関係は決して「疎」ではない。が、人との距離は「密」ではないのだろう。アンナ!いまあなたはいったいどこにいるの、と問う声に彼女は微動だにしない。

※そうですか。あのれはピアフの歌ですか。

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