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[コメント] プリズン・エクスペリメント(2015/米)

スタンフォード監獄実験の劇映画化。歯止めの効かない「秩序」とは何と恐ろしいものか。最も興味深い人物はジョン・ウェインの息子と呼ばれた監守だろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







彼については教授も映画全体も、圧倒されるばかりで解明には向かわない。とても向かえないというタッチで描かれる。ラストが彼の不可解な対話であるのも、その印象を強める。

しかし、あのような態度を取ってしまった経験を小学校でしていない人は少数なのじゃないだろうか。私も痛い処を突かれ続けた。一方、受刑者側の経験も同様。どちらも動物になるような経験である。

実際の実験中止はWikiによれば家族の訴えであって教授の判断ではないらしい。この劇映画はしかし、そうあるべきだという線で描いた、という処で納得させてくれる。

腹立つ描写のしつこさも第一級。元受刑者が自分が受けた屈辱の科白を実験で反復してしまい、自己嫌悪から実験を降りる件がとても記憶に残る。

(評価:★5)

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