[コメント] ベイビーわるきゅーれ(2021/日)
もちろん、驚異的なアクション演出の部分を主に指しているのだが、例えば、日常生活の中で、食べ物をこぼしたり、ゲームのコードをひっかけたりといった繰り返しについても、スクリプトで書けたとしても、面白く見せているのは撮影現場での成果なのだと感じられるのだ。
まひろ−伊澤彩織と、ちさと−高石あかり。まひろのバイトの面接シーンから始まり、すぐに見事な乱闘アクションを披露してくれるし、キャラ作りの共感性(観客が応援したくなるのはどっちかということ)から云っても、まひろが主役かと思わせるのだが、いやすぐに、2人で面白さを何倍にも増幅しているということに気が付いてくる。2人の掛け合いが絶妙なのだ(ちょっと聞き取れないセリフもあるが)。
さて、一番楽しかったシーンは、矢張りメイド喫茶での極道二人、本宮泰風とうえきやサトシのシーンでしょうね。仁義のくだり。尚且つ、全編で一番瞠目したのも、このメイド喫茶での、高石あかりによる電光石火のコンバットシューティング演出かも知れません。これには驚いた。もちろん、終盤の殴り込みシーンにおける、伊澤彩織と三元雅芸のファイトシーンは、本作のクライマックスに相応しい凄まじいアクション演出であり、高石の銃の扱いと、伊澤の生身の格闘スキルの両方が、本作を類を見ない豊かなアクション映画にしていると云えるだろう。尚、主人公の2人に対抗する敵役、ヤクザの娘−秋谷百音のキレっぷりも銘記すべきだろう。クライマックス中、伊澤と三元の激闘を優先させ、高石と秋谷の銃撃戦が中断される繋ぎになったのは惜しい。
また、尻もちをついている伊澤が高石に両手を引っ張って起こしてもらう、という演出が冒頭と終盤で反復されるが、これはスクリプトで書かれていた可能性が高いとは思うのだが、撮影時のアイデアのような気もする。真偽は分からないが、そうであれば良いなと思う。
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