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[コメント] 裁きは終りぬ(1950/仏)

 古くて新しい二つのテーマ。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 いろんな意味でこれは『十二人の怒れる男』と対をなすと思う。ここの陪審員室はあんなに狭くてムンムンじゃないし。個々の人物描写についてはルミちゃん様がすんばらしいレビューで書いてありましたので省略。

 安楽死。これは50年以上たった現代でもまだ問題になったままですね。この女性はあのキリコ先生みたいに「苦しむくらいなら死なせてやった方が幸せだ」という気持ちもあるけど、その一方で「感謝してるし、愛してたから死なないでほしい」とも思ってる。つらいよね〜。新しい男がやってくるまで、彼女には彼しか頼ることができなかったんだから。その彼が彼女に莫大な負担を強いるようなろくでなしだったのも、また痛い。しかも莫大な遺産まで残しちゃうなんて、そりゃ成功報酬とはいっても(それだって感じ悪い)金目当ての犯行だって思うやつもいるに決まってる。安楽死望むなら、家族の了解取って、身辺整理きちんとやっときなさい。

 陪審員制度は日本でもテレビでよくやってるし、最近取り入れようと考えてるみたいだけど、本当に、最近(無理やり)知らされた人だけで未知の被告に対して人生を左右するような決定をしていいんでしょうか?「十二人〜」だけじゃなくって、こっちも見て判断してよ、ニッポン。

 この問いと答えをわたしに引き出させてくれたんで文句なしに5点。

(評価:★5)

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