[コメント] 空に聞く(2018/日)
陸前高田災害FMのパーソナリティの女性を主人公にしたドキュメンタリー。開巻はラジオ放送中の風景で、機器を操作しながらアナウンスする場面。序盤は不用意なズーミングがある。墓地のシーン等も。
後半はカメラワークが落ち着いてくる。と云っても、数年間に亘ってカメラを回していて、時系列で繋がれている訳ではない(それに、別に瑕疵と思っている訳ではありませんので)。
最初の住民へのインタビューシーン。寅二さん、という80代のお爺さん。60代で死に別れた奥さんのことを話す。もっと長く連れ添っていたら、もっと辛かっただろう、と言う。こゝで既に嗚咽がこみあげてしまった。リビングの置物の中に、陶器の人形と共にシャワーヘッドがある。どうして?と思っていると、後のインタビューで、実家の跡地にあったものだと分かる。あるいは、震災の月命日(11日)の黙祷放送を、生放送でやる理由について語る場面。NHKのディレクターに、どうして録音でやらないのか、と聞かれて「馬鹿じゃないの」って言ったという話にも、笑わせられながら、感動する。
映画的な美しい画面、ということでは、まずは、七夕まつりの山車が、極めて美しい。夕闇の中、原色の光が映える。また、祭りの背景音がノイジーな中でのインタビューが面白い。そして、決定的なのが、連凧のカットだろう。白の胴体に赤い足の凧。女性パーソナリティの語りの途中で唐突に、この素晴らしいカットが繋がれるのだ。
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