[コメント] ナポレオン(1927/仏)
フランス人から見たナポレオンは感情的なものになるんですな。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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現代の目から観ても、この作品で使われていた技術は素晴らしいもので、特にラストのトリプル・エクランは狭いテレビ画面を通してさえも迫力が分かるし、ここに動員された人数も、当時の技術で作られた特撮も素晴らしい。
一方、物語の方は、いかにも好戦的な、本物のプロパガンダ映画だった。ここに描かれるナポレオンの姿は人間ではなく、完璧に揺るぎない信念を持った英雄そのものの姿で現されていた。その部分にはちょっと引いてしまうのだが、これもおそらく1927年のフランスと言う時代が作ったものだとは言えるだろう。第一時世界大戦の泥沼のような西部戦線で辛うじてドイツから勝利をもぎ取ったフランスにとって、なにかにつけ国威高揚を行わねばならない時期にあった。ここに最適な存在がフランスにはかつて存在していたというわけだ。改めて本作は時代背景とともに観なければならない作品であり、当時のフランスの理想として現れたのがナポレオンだったと考えるべき。
ここでナポレオンはイタリア遠征に向かって旅立つところで終わるが、そこでの盛り上げ方や、いかにも戦いが好き!と言った雰囲気も、これもかつて戦ったドイツやイタリアに対する気持ちが現れているようにも思える。
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