[コメント] ワイルドツアー(2018/日)
山口県山口市が舞台。山口情報芸術センター(YCAM)のフィールドワーク(植物採集のワークショップ)のスタフである、大学1年生の中園うめ=伊藤帆乃花と、二人の中学三年生男子(タケとシュン)の話が中心にあり、その他、男子2人組と女子4人組のフィールド活動が挿まれる。
うめちゃんは、元カレの山崎に、よりを戻す告白をするが、ふられる。逆に、中三男子二人は、彼女に恋をしている。トイレの中のシュンが、ドアの外にいるタケに、高校に入ったら、うめちゃんに告白する、と云う。その足で、タケは、うめちゃんに会いに行き、ラブレターを渡す。こういった、登場人物のコミュニケーションと言動の微妙なズレの部分を淡々と提示して見せる。
ファーストカット、オープニングは、スマホのカメラで撮った映像。ヒヨドリ。枯葉。風で揺れる枝葉。水鳥、川の中の飛び石、カラス等。ドラマ本編の撮影部分と共に、フィールドワークのシーンでは、登場人物がスマホで撮影している体(てい)の動画映像が繋がれる。画面の質的な面と、演出・カッティングでの考慮によって、違いは明確に認知できる。こういった趣向の映画は、既に沢山あるが、本作のカッティングはとてもよくできている。本編の撮影(ドラマ部分)は当然、演者によって明確に演じられている部分であり、演者はカメラを意識しないフリをしている(カメラ目線はなし)。対して、スマホ映像は、演者はカメラを意識する(カメラ目線も勿論OK)。しかし、いずれにおいても、三宅唱から指導(ディレクション)されている、つまり、演出なのだ。この異なる演出の危うさ(スリリングさ)も面白さの要因だ。
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