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[コメント] ジプシーは空にきえる(1976/露)

愛に生きるジプシー・ウーマン、みたいな通俗観念を全世界にまき散らしたような作品。ほんまかいなと思ってしまう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カマボコ屋根の馬車の行列。年越し前に盗んだ馬をブルジョアに売却。警官に追われて馬上で死んだふりして逃げる。♪俺は世界一の馬泥棒 男たちはみんなチャールズ・ブロンソン風の口髭を生やしていて見分けが困難。男女がラブシーンを始めるのにダブルネックのギターもった女の兄貴は部屋を去らずに演奏を続ける、という件は何だったのだろう。市の広場での公開首吊り処刑を仲間に救われて脱出。

花柄のロングスカートにヘアバンドの女たちは当時のヒッピーと呼応するような印象がある。呪文で怪我を治し、パイプで煙草吸ってトランプ占い。あんたとは何度占っても運命が交差するのよ。抱き合って坂を転がり川に落ちて、必然のように服脱いで焚火の一夜。「うんと愛してあげる」。この件はとてもいいラブシーン。男が起きたら老婆が代わりにいた、という展開も面白い。

そして♪ジプシーはいつでも酔っ払っている と唄われ、一族いるなかで結婚式、そこから話は暗転し、カップルが刺して刺されるカルメン風。覚悟していたわ、と女。いやすると暗転ではないのかも知れない。愛に死ぬパッション。しかし通念がなぞられたという疑いが深い。どこまで取材が行き届いているのか不明で、平凡に愉しもうという気にさせてくれない少数民族ものだった。

(評価:★3)

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