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[コメント] 劇場版 君と世界が終わる日に FINAL(2024/日)

テレビドラマ等の過去作は一切未見でこの映画を見る。そのこと自体は(私に関しては)全く問題ないと思った。本作は脳を停止させる映画だ(あ、観客の脳じゃないですよ)。
ゑぎ

 アバンタイトルはスマホで写した動画画面(縦長画面)で始まる。海辺。竹内涼真中条あやみに指輪を渡そうとする場面。2人は、エンストした車のカップル、高橋文哉堀田真由と出会う。次に高橋から堀田へ誕生日プレゼントの香水が渡される場面。こゝで、窓の向こうに、人がビルの屋上から落下するを見せる。これを見る堀田を180度の切り返しで繋ぐのには驚くが、この後の堀田が真面目に走っているように見えないのはどうしたことか。

 さて、全編、フィルターワークかポスプロでの加工か、銀残し風のくすんだ色合いの画面に仕上げている。これは一定の効果は上げているが、シンプルに汚い(ワザと汚くしているのだろうが)。本筋は、砂漠の男の場面から。3人組が来て水筒を差し出す。みんな砂漠の民みたいな格好をしている。道案内。行先はツインタワーだ。この4人の動向はたまにクロスで繋がれるが、この4人に関する謎の形成が本作の肝だろう。

 全体、ご都合主義をあげつらうとキリがないが、ゴーレムたちとの距離と時間の演出は、気になって仕方がなかった。逃げきれるように見えない距離のショットの次に、逃げきれたショットが繋がれる等を指している。また、竹内は科白が少ないせいか、カッコいい。実に映画的な良い面構えと思う。本作は彼を目当てに見る映画だろう。対して高橋は、頭が悪そうな、いい加減な騒がしいキャラなので、彼が竹内よりも目立つ中盤くらいまでは、見ているのが辛かった。

 脇役では、こゝでも菅田将暉のワンポイントリリーフ、その造型は出色だ。彼のメイクもさることながら、瞬きをしない顔と瞬きのタイミングがいい。この演出のアイデアは菅田のものではないかと感じた。板垣李光人の役柄は、最初は目立っていただけに勿体無い。

 あと、指輪のネックレスと香水の遷移もプロット上の大事な部分だが、流石に香水が高橋の手に戻る段取りは、都合良すぎるだろう。それと、竹内の娘−幼いミライが凄惨な現場に居続けるという状況は良いと思う。この子が突っ立って、ぼうっと状況を見ている絵面、さらに、にっこり笑うショットには私も笑ってしまった(苦笑です)。そして、エピローグは私には予想外で、ちょっと驚いたが、しかし、こゝも演出(アクターズディレクション)はクドイ。

(評価:★3)

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