[コメント] コンセント/同意(2023/仏=ベルギー)
このおぞましき実話を実名で描いたことには感服した。
どうしても連想されるのはジャニー喜多川で、奴の犯罪を実名で描く映画が作られないこの国は不甲斐ない。あまりにも長年、あまりにも多数の被害者がいるため『男はつらいよ』くらいの本数が必要かもしれないが、ダイジェストにしてでも必ずやるべきであろう。映画化などの総括をせずに日本人はこの戦後最大の性犯罪を消化できない。Netflixのドラマ化を待ってんじゃねえ。
一方でこの映画、被害者の視点からひとつの長期にわたる性犯罪を描いたものに過ぎず、加害者の犯罪の全容は明らかにならないし、そもそもこの種の性犯罪を犯す様々な加害者のそれぞれに違った醜悪さ、といったものは描けていない。それは1本の映画が描ける範疇を超えている。
この加害者ガブリエル・マツネフのような、芸術の才能によって社会的成功をおさめ、巧妙に未成年を洗脳し、鍛え上げたマッチョボディでセックス漬けにするといった「悪魔」的な加害者というものは、ジャニー喜多川という極めて異常なレアケース同様に「珍しいケース」と言わざるを得ぬ。要するにこいつは「スター性」のある加害者で、銀幕に映えるんだよな。そうでもないともっとキツい、2️時間も見られたもんじゃないというのも事実だ。野蛮な時代と社会を味方につけて子供とセックスしまくったこのような犯罪者は、これからの社会では生存し難いだろうな(そう願う)。
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