[コメント] 二重の鍵(1959/仏)
ほとんどアンリ・ドカエを楽しむ映画。実に見事な色遣い。しかし決して撮影だけでなく、クロード・シャブロルの演出も俳優達も面白い。ファーストシーンの下着姿のベルナデット・ラフォンからラストカットの屋敷の外壁のランプまで演出はこりにこりまくる。ヒッチコック映画を一番想起させるのが...
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
殺人まわりのシーンよりも、アンリとその愛人・レダとが愛を交わす一連のシーンが一番ヒッチっぽいというのがマニアックでいい。またレダの住む日本家屋の見せ方も計算されていて、冒頭で障子の格子が映った後、なかなか出てこないので、私はこの装置を早く見たくて仕方がなかったというか、かなり期待していたのだが、クライマックスで描かれた室内の演出が見事で満足。特に鏡や水槽、ガラス瓶といった反射物の使い方が秀逸だ。熱帯魚が泳ぐ水槽のカットがいいです。
俳優に触れておくと、『勝手にしやがれ』より前(同時期?)のジャン=ポール・ベルモンド(本作の役名もラズロ・コバックス!)が意味不明に放埓な人物を初々しく演じているのだが、もう既に大したオーラを放っている。そしてヒロイン・レダを演じるアントネラ・ルアルディは顔の造作が大きくて劇中、美人美人と云われ過ぎるように私なんかは感じるが、それでも知的な美しさ、セクシーさがよく表現されている。しかし、本作でもとびっきり奔放なベルナデット・ラフォンは完全に脇役であり出番が少なく、冒頭のシーンぐらいしか見せ場がない。これは少々残念。
あと、沼での乱闘シーンはカメラ2台で同時撮影し繋いでいるように見える。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。