[コメント] エイリアン:ロムルス(2024/米)
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新味はないっちゃーないのですが、無重量状態にして危機を切り抜けたり、アンドロイドがエイリアンのアッシュと『エイリアン2』のビショップの間を行ったり来たりするところとか、それなりに新しい小ネタも楽しかったです。衒い無く過去のシーンにオマージュを捧げまくっていて、もちろん「Get away from her...(ためてからの)...you BITCH!」は言うまでも無く、いちいちギシャギシャギシャとドットプリンタっぽい音が出るディスプレイとか、イアン・ホルムとか、まあそういう意味ではフュリオサと同じような同人2次創作的ではあるのですが、フュリオサと違ってオリジナルから劣化していないように思えるのは、ツボを押さえたくすぐりと、寅さんシリーズのように積み上げられたお約束の力でしょうか。
またIMAXで観た序盤の無重量シーンもほんとによくできていて、まるで自分がそこにいるような感覚で、ちょっと酔うくらい。ある意味見事なカメラワーク。真空状態の無音も効果的に使っているのも好み(いや、『ゼロ・グラビティ』ほど原理主義的ではないのですけども)。
なおイアン・ホルムも意外に嫌じゃなかったのですが、それは不気味の谷を越えられないままクリストファー・リーやキャリー・フィッシャーを登場させてしまった『ローグ・ワン』と比較しても、もの凄くCGがちゃんとしてるからかもしれません。
ちなみに途中で一瞬だけ映るネズミからチェストバスターが飛び出たっぽいシーン、次回への伏線かしらとも思うのですが、それをやったらまた同じことの繰り返しになるので、やっぱ無し(とは言え、最後に『エイリアン2』のエンドクレジット終わりのように「カサカサカサ…」って音がしないか耳を澄ませてしまった)。
<追記> 妻曰く「エイリアンに襲われる側をもの知らずの若者たちにしたことで、プロにあるまじき油断が正当化されるのもうまかったよね」。確かに。
<さらに追記> この映画、よく考えたら若者たちが集合するあたりからは完全にリアルタイム進行なのですよね。しかもストーリーとしては底辺の若者たちが押し入っちゃいけないとこに押し入ったせいで酷い目に遭うという、まあそんなこんなで全体にこぢんまりしちゃいそうな要素満載なのに、エレベーターの前で青い光の中向かい風とか、上から意味なくスプリンクラーの水とか、まあそういう過去作へのオマージュのせいか、なんだか大作感がでちゃってるのも不思議。
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