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[コメント] バイオレント・ナイト(2022/米=カナダ=日)

Xマスイブの夜。英国ブリストルのパブの場面。屋上で空を見上げる女店主の描写までは、実にスピルバーグの映画みたいと思わせた。しかし、このプロローグはジョークみたいなものかと思っていたら、全編がファンタジーだったのだ。
ゑぎ

 本筋は米国コネチカット州が舞台。ジェイソン−アレックス・ハッセルが別居中(?)の妻リンダ−アレクシス・ラウダーと娘(少女)のトゥルーディと会う場面から始まる。ジェイソンの母親−ビヴァリー・ダンジェロの大邸宅で開催されるクリスマスパーティへ向かうのだ。自動車の中で、娘は『ホーム・アローン』を見たと云うのだが、こゝから、数々のサンタ映画や『ダイ・ハード』、そして『ホーム・アローン』を思い起こさせるプロットに突入していく。本作もかなり良く出来たアクション映画だ。

 では、最初にサンタ−デヴィッド・ハーバーが使う主だった武器を列挙しておこう。小さな電球の連なるコード、ツリー天辺の星型の飾り、先を舐めて尖らせたキャンディケイン(杖状のキャンディ)、アイススケート靴。そして大ハンマーだ。ハンマーは、彼が戦士だった頃(ニカムンドレッドと呼ばれていた頃)のフラッシュバックで描写される、慣れ親しんだ殺人兵器なのだ。字幕では脳天潰し、スカルクラッシャー。

 また、本作は悪役も多彩なキャラが揃っているが、そのボスがスクルージという仇名のジョン・レグイザモで、これが全き極悪非道な悪役というのが嬉しい。もちろん、凶悪な中にも、クリスマス映画らしいオチャメさと悲哀も描かれているのが良いところです。例えば、捕らえられたサンタとレグイザモらが対峙する場面で、子供の頃のプレゼントの逸話、あるいは、部屋の中に雪が降って来たことによって、ホンモノのサンタだと信じ始める辺りの見せ方が良い部分だと思う。さらに、この後、少女トゥルーディの仕掛けた、残酷なホームアローン風トラップが、予想に反して、ことごとくワークするのも実にいい(もしかしたら、こゝが本作最大の見せ場かも)。

 ただし、ちょっと気になったのは、舞台の屋敷がいくら大邸宅だといっても、大声で喚きながら戦っているのに、他の場所の悪役たち(広間のレイグザモら)に全然伝わらないといった事柄や、トゥルーディが屋根裏部屋へ隠れてから見つかるまで時間がかかり過ぎるといった空間と距離の描写が甘い点だ。これは、こういう体(てい)だと思って見ないといけない部分だろう。やっぱり『ダイ・ハード』は良く出来ていたと感心してしまった。

 それと、実はこの映画を見たいと思った私の動機の大きな点が『炎のデス・ポリス』でカッコいい警察官を演じたアレクシス・ラウダーの新作を見たい、という点にあったのだが、本作の彼女は基本、普通のお母さん役なのだ。アクションを期待していたが、ほゞ無し。こわごわマシンガンを撃つ場面ぐらいでした。また、本作は彼女の夫婦再生の話という側面もあるが、この部分の描写は性急に過ぎ、少々わざとらしい。

(評価:★3)

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