[コメント] 風船(1956/日)
百鬼夜行の世の中に、森雅之が一縷の望みを托せる相手といえば、あまりに純粋無垢すぎるリアルのなかにない娘、芦川いづみだけだったのだろうか。ヒトは容赦なく互いの喉を食いちぎりあって己の喉を潤し、愛と死は渇いたオブジェとしてそこここに散乱している。この映画に描かれた時代は、紛れもない無味乾燥な現代の序幕期だったのだろう。
(水那岐)
投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。