[コメント] Flow(2024/ラトビア=仏=ベルギー)
予算が増えても(って言ってもたかが400万ドルですが)ギンツ・ジルバロディスが『Away』で見せた天才は微塵も欠けていない。どこに連れて行かれるかわからない不安と不穏なほどに美しい世界の組合せという語り口も変わっていない。眼福。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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センス・オブ・ワンダーに満ちた世界という意味では、前作の方が勝っているとは思うけど、それでも冒頭でどこまでも上がり続ける水嵩や、それが世界を「飲み込むように」一気に引いていく終盤の展開やら、(なぜか「カムパネルラー!」と叫びそうになったのはさておき)過剰に神々しいヘビクイワシの昇天やら、息ができないほどの水の中の表現とか、徹頭徹尾世界に翻弄される姿とか、諸々含めて愛おしい。
ラストの水面に映った自分たちを眺めるシーンに象徴されるように、すべてを一人でこなしたAwayが「僕の物語」だったとすると、本作は「僕たちの物語」になっているというのも味わい深かったですね。このままいくと、父親(的な世界)と和解してしまったティム・バートンになってしまうのではという不安はあるっちゃーあるのですが、そんなの本人にしてみたら余計なお世話だし、「力を合わせて仲間を助ける」ってオチも含めてそれがジルバロディスの成長なのでしょう。
あと、最初からボートが木の上にあったことを考えると、この現象が定期的に起こっている世界のようなのだけど、それはヒトがいなくなった理由ではなさそうだし、いったいどれくらいの頻度で起こるのかを考え始めると矛盾に頭を悩ませることになりそうなので、当面無視するってことで。
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