[コメント] うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生(2024/日)
織本順吉の“現役役者”であることへの凄まじい執着は老い(滅び)への本能的な抵抗なのだろうか。それが強さの証しであろうが弱さの露呈であろうが、心身の衰えに抗う“意志”を貫くためには健全な“心身”が必要だという矛盾には抗えないという悲喜劇。
もし死を目前にした織本順吉が監督である娘の中村結美に残した“最後の言葉”がなかったら、同じく家族とその内情に目を向け話題となった藤野知明監督の『どうすればよかったか?』と同様に本作もまた「どうすればよかったか?」という問いのまま中村監督は途方に暮れたかもしれない。
父の執拗さを上回る執拗さで父に挑む娘の凄まじさ。あえて勝ち負けを言えば“引き分け”ということなのだろう。
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