[コメント] 殺人地帯U・S・A(1961/米)
エクストリーム・クローズアップへの偏執。それは勿論、主人公のクリフ・ロバートソンが最も多いのだが、ヒロインのドロレス・ドーンに対しても、そして悪役達、ロバート・エムハートやリチャード・ラストへも執拗にアップを繰り返す。
そのこだわりは、撮影現場のテイクでは、ミドル・ショットだったカットで、ブロー・アップ(引き延ばし)してまでもクローズアップを捏造しようとするぐらいの徹底ぶりなのだ。この志に感動せずにはいられないではないか。
役者では、まずはサンディという名のオバサンを演じるベアトリス・ケイという女優が冒頭からラストまで絡み、印象深い。そして暗黒街のボス、ロバート・エムハートが晩年のマーロン・ブランドのようなカリスマ性を発揮する。
エンディングは『勝手にしやがれ』。フラーはゴダールを見ていなかった、と云っているらしいが。であれば、吉田喜重『ろくでなし』(1960)を見ていたのかも知れない。(冗談です。)
ラストカットのズーミングも、光学的なブロー・アップだろう。
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