[コメント] 新世紀ロマンティクス(2024/中国)
過去の記憶を映像記録として連ねることで脱ドラマの帯を作り出し、そこに20年に渡り自作を担った女チャオと男ビンを再配置すことで現在の位置を確認する。これはジャ・ジャンクーによる自作のセルフドキュメンタリーとでも言うべき(矛盾承知で)高度な創作ドラマ。
純粋ドラマという連続した物語で「流れた時間」を検証するのではなく、流れた時間の断片(『青の稲妻』『長江哀歌』『帰れない二人』や過去の実写映像)を積み重ねることで、その時間の激流に「流された女と男」がたどり着いた“現在”を確認する創作作業。
描きたかったのはあくまでも2022年の中国。そこに立ち上がった状況(社会の在りよう)を、ひとつの終わりとして否とするか、次の始まりとして良しとするか。気合一発でそれは決まる、という幕引きの豪胆さに唖然。
それと、本作は優れたポピュラー音楽映画だと書き添えておきます。
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