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[コメント] 新世紀ロマンティクス(2024/中国)

好みの映画作家、ジャ・ジャンクーの最新作。またしても女優はタン・ヤンだが、今回はなんと主役の配置なのだが、ノーセリフだ。言語障害の役柄でもなく、ただセリフを発しないのだ。随分と筋書そのものはジャンク―にとってはステレオタイプで、「男と女の別れとくっつきあい」が延々と続く、、。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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新味の部分は、20年間の彼らの中国の世相とともに移り行く心情を細かく描いており、それがなんと、実写なのである。20年間のフィルムを編集したようだ。 だから我々観客は20年前の二人の若い時の風貌と現代の少々老成した中年の様相を目の当たりに見ることになる。これはものすごく辛辣で、ある意味怖い。特に男は20年でかなり容貌が変わっているので、別人のようでもある。

そして変わりゆく中国国家の様相とある二人の男と女をリンクさせており、これは今までもジャンク作品の定番であったように思う。20年ぶりに邂逅した男と女。男は路頭に迷っている。女は、男によたれようとするが、ふと群衆のマラソンに入り込んでしまい、まるで男を振り切ったように走り始める。

今のジャンク―の想いをドキュメンタリー風で見せた作品である。まだまだ彼の彷徨は続きそうである。この作品は過渡期の作品であろう。

(評価:★4)

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