コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] おかしな奴(1963/日)

啄木詩集といった小道具含め、上手く練り上げられたシナリオの勝利。闇市買い出し列車の中で、乗客たちに荷物棚に担ぎ上げられて急遽こしらえの寄席を行うシーンは本作の名場面だ。
AONI

脚本の妙に尽きる。 先ず、主人公(渥美清)の七五調の語り口が小気味良い。芸風確立のきっかけともなる啄木詩集や手持ちルーペ(虫眼鏡)の小道具としての使い方も上手く、芸人立志伝としても良く出来ている。また、主人公の人生に影響を与えるヒロイン2人(三田佳子南田洋子)の必然性あるストーリー配置も巧みだ。何より、戦中・戦争直後の昭和世相・市井の様子を巧みに取り入れたストーリーが素晴らしい。兄弟子に扮する佐藤慶の役柄は意外性があり、そして切ない。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。