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[コメント] 青春 -苦-(2024/仏=ルクセンブルク=オランダ)

社長から場所とミシンを借り、提示された作業を自分の能力に合わせてこなし、納品した出来高に応じて単価交渉をする。第一部で“青春”ならではの喜怒哀楽を謳歌しているようにみえた若者たちが、不安定な雇用システムのもと金銭トラブルに苦悩するさまが描かれる。
ぽんしゅう

第一部『青春』の感想の以下の感想は安易に過ぎたようだ。

ー 仲間どうしで作業の難易度と一着あたりの工賃の多寡を喧々諤々議論し合い経営者と交渉する。その「若き熟練労働者」の生活をかけた遠慮なき逞しさに驚かされる。と同時に派遣社員制度という高度な搾取システムに組み込まれた日本の非正規雇用労働者のどん詰まり状況に暗澹とする。ー

制度化された搾取システムと同様に、のらりくらりと“制度なき制度”で権利をはぐらかしながら若者たちを搾取する。この仕組みの狡猾さは労働者の職人的矜持をおだてつつ、彼らの幼稚な経理知識を利用するところにある。労働者側の意識改革には教育が必要で、はたして今の中国の地方の農村に(日本だって)その地力があるのだろうか。

(評価:★4)

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